風信子のポエム

詩あわせで、しあわせな毎日を

闇の中の希望


月が


満ちかける時


鍵が


開く


心の


ファスナーが


音も


立てず


開くと


まあるい


いくつもの泡が


夜空に


のぼる


泡を


つかもうと


こころ見ても


スルリと


かわされる


鴉の黒い花が


路地裏に


咲き乱れる


一歩ずつ


のぼる


雑居ビルの


階段は


闇へと


続く


終わりのない


螺旋階段で


あることを


私は


知らない


酒の


にほいが


黒い花から


漂う


枯葉が


落ちて


朽ち果てた木が


薄ら笑いを


浮かべて


月に


照らされる


闇の世界