風信子のポエム

詩あわせで、しあわせな毎日を

夕宵


350mlの缶酎ハイの


空き缶


足で転がす



日が暮れても


ヒグラシの音


風鈴のなかで


こぼれ落ちる


夕宵で


酔って


ふらふら


蛾が飛び交う


信号機が


青く光って


サンダルに


短パンの


名もなき自分を


空に飛ばそう


空き缶よりも


思い心かかえて


明日のことさえ


わからない


それでも生きる


夕宵に



唄いながら

花火のない夏

なにもみえない


星しかみえない


ひとの賑わう


気配さえしない


不安を


背負った


夏の片隅で


なにも知らない



向日葵だけが


太陽浴びて


咲いている



とりとめもなく


過ぎていく夏


花火があがらない


心のはしっこに


ぽつりと


落ちる



線香花火


ため息にも


似ていて


流れては


消えていく


川のせせらぎは


花火



受けとめる


優しささえ


消え失せて


花火のない夏

すれ違い

暑いので


歩くのが


辛いから


タクシーに


乗りたかった



乗りたいときに


タクシーはこない


悪いのは

タイミング


緊急地震速報で

電車が止まり

遅刻し

先方に詫びをいれる


人身事故で

電車が遅延


動き出した

混んだ電車で

汗だくになる


マスクをはずしたい


マスクがはずせない


マスクのせいにしたくなる


予期せぬ出来事


人生は


その繰り返し


コロナだって


21世紀


この時代に


ウイルスなんぞに


現代人が



悩まされるとは


誰も



思っても



みなかったこ



今日何気なく


すれ違っている

ひと



明日は

笑いあっているなんて



誰が想像など



できようか?